望遠ログ

1x telescope のブログ支部です。

Factory Head Fuzz ができるまで

 僕が自作を始めた頃に色んな自作サイト・ブログにさんざんお世話になったので、少しずつ自分も還元する側に回れたらな~と思い工作方面もまとめていくことにしました。

 自作に興味のある方も無い方も、「ほーん」ぐらいで見ていってください!

 今回は当ブランド1x telescopeのヒット作、フットペダル型ファズファクトリー”Factory Head Fuzz”の製作工程を紹介していきたいと思います。

 

 

 構想

 配線がきたない!!!!!

 「Stabを足で弄れたら面白いよね」みたいな声はまあまあ前から各所で聞こえていたので、やってやらあ~の勢いで始まりました。前身のアスモエフェクツ時代からリニューアルしていて、この記事を書いている現在で通算30台ほど出荷しています。ありがとうございます。

 基板

 コンスタントに製作するので、基板はある程度まとめて作るようになりました。今使っているのはこのレイアウトです

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 実際にはAC128ではなくノーブランドの2N3906を使用していて、それからフットペダルでの操作に沿うように一部定数を変更しています。これは内緒で勘弁してください…!

 VolumeがB5k→B2k。発振しやすくなります

 実際に作るとこんな感じです。この時はハイスコアガール*1の2期を観て限界化しながらまとめて4枚作って、45分くらいかかった気がします。

 筐体解体

 本体に移ります。全ての部品を取り除きます!筐体はエアダスターで埃を飛ばし、酷いときには水で丸洗いします。

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 あとで使うのは真ん中のこの子だけです。回してみてガリが無いか確かめましょう。この時点でザラザラするようであれば分解・洗浄します(幸い今回はその必要はありませんでした)。2連B20kの超ロングシャフト可変抵抗、どこかに売ってたらこっそり教えてください…

 筐体加工(主に穴あけ)

 次は本体の加工に取り掛かります。あける穴が5つと拡げる穴が3つです。電動ドリルとリーマー、それからニッパを用意します。

 最初にあける穴は左側面のコントロール類の穴です。まず穴をあける前にネジ柱のスカートを一つだけニッパで除去してしまいます。強度への影響は無いに等しいと言って良いです。

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 1つ目の穴(Gate)は、ポットがこの側面・角にすっぽり収まるようにあけます。2つ目の穴(Comp)は、ポットがさっきの子の隣に並ぶようにあけます。蓋が閉まらなくなるので足はペンチで折ります。3つ目の穴(Drive)は、これまたさっきの子の隣に並ぶようにあけます。向きは斜め。

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 左側の最後尾は先程のレイアウト図には無かったコントロール、Pre-Stabです。定数はBカーブ5k。フットペダルで制御するStabの制御範囲を予め決める役割を果たしていて、メインのStabの後ろに2-3番を直列に繋ぎます。

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 このようにネジ柱を挟んで最後尾にあけます。どうでも良いですけどネジ柱って鬼滅の刃に出てきそうですね。今度は16mmポットは収まらないので、9mmポットか秋月のミニポットを使いましょう。

 これで左側は終了!筐体の斜面に沿って一直線に並ぶと理想的です。そのうち厚紙でテンプレを作りたいな~と思いつつ未だに1つずつ確認しながらあけています。

 次はフットスイッチ部に行きましょう。中央のクロス?をニッパで折って取り除いて、その真ん中にドリルを当てます。

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 あいたら実際にフットスイッチを嵌めて確かめて、一旦外して、今度は前方の10mmLEDのためにジャックが嵌っていた4つの穴うち中央2つを拡張します。少し拡げるだけで十分なのでリーマーで慎重に。

 これもうまくいったなら、10mmLEDは嵌めて直列に半田付けします。逆作用ピンセットが非常に便利です。

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 逆でも大丈夫ですが僕はいつも左側にアノード(+、長い方)、右側にカソード(ー、短い方)。ここで間違えると大変面倒なことになるので極性の確認はしっかりと!微妙に足の長さが余るのでニッパでカットして、LEDは嵌めたままフットスイッチを再装着。今度は表に回ってナットも締めます。

 このフットスイッチの首?の長さがフットペダルのつま先側の可動域に直結してくるので、ある程度の可動域を持たせるためフットスイッチにナイロンワッシャーとかを多めに被せておきます。これは単体でもギャレットさんとかで買えます。

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 さて、嵌めたらLEDのカソードをフットスイッチ中段右に半田付けします。さらにアノードには絶縁収縮チューブを被せておいて、ホットボンドでLED周りを固定してしまいます。

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 ヨシ!最後に元々チューナーアウト用だった穴をDCジャック用に拡張して、これで筐体加工はおしまいです。文章にすると長いですが15分ぐらいで出来るようになりました。

 組み込み、配線

 最後は組み込みです。

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 各ポット、ジャック各種、そして最後にフットペダル部分のStabポットを取り付けます。こいつを先に嵌めるとコントロール類が後から嵌められなくなるので注意してください。

 わしわし配線していきます。

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 仕上げ、完成

 すべて済んだら最後にStabのイモネジを締めましょう。ポット軸を回してどの辺で締めるかによって操作できる音色も変わってきますが、当製品は「かかと側に倒し切ったときに6±0.1kΩ」にセッティングしています。

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 完成です!お疲れさまでした。Factory Head Fuzzはいつもこんな感じで作っている訳なのです。送料別11000円、個人的には結構頑張ってると思うのですがどうでしょうか。良ければ出品した際には覗いてみてください。

 良い感じに宣伝も済んだので今回はここまでです。読んでいただいた方ありがとうございました!今後また自作系の記事も挙げていこうと思いますので懲りずによろしくお願いします。では

 

 

*1:日高ーーーッ!!!!!!!

VOX MV50 clean modのレビュー

 こちらの記事

asumoeffects.hatenablog.com

で改造したやつについてです。

 例のmod

と、電解コンデンサの総交換、この2点が主な改造点でした

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 結論から言うと、圧倒的に改造後の方が好みです。やったー!

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 「フェンダーアンプの雰囲気が強くなった」というのが第一印象でしょうか。眩しいプレゼンスとゴンゴンしたローが増える感じです。

 これは人によって結構好みが分かれるんじゃないかと思っていて、ボリュームを上げると耳に痛くないギリギリが出てきます。

 これに関しては僕がコンデンサをハイファイなものに替えたこともあるので、単純に李さんのmodだけならもう少し和らぐと推測しています。

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 あとはフロントPUが化けましたね、色気がマシマシです。ジャズをやる人なんかは元の丸い音の方が良いんじゃないでしょうか、それとメイン歪みだったBD-2との相性がイマイチになったのは唯一残念だった点です。高域が被っちゃったんですね〜また歪み探しの旅が始まるのか(歓喜

 なおCOT50を間に挟むと極上のクランチが出て優勝できます。

 こんなもんでしょうか。何か質問などあれば適当に声かけて下さい、それでは!

VOX MV50 cleanの改造

【免責事項】この記事を読んで同じことをするのは構いませんが、その結果について当方では一切の責任を負いません。音が鳴らなくなっても、感電しても、その他諸々のトラブルも全ては自己責任でお願いします

 

(責任回避ヨシ!)

 

 こんにちは、アスモです。今回のは先人もそう多くないだろうと思い記事に残してみることにしました。改造の内容ですが

これを施行するついでに電解コンデンサの総交換だ〜という感じです。

なお、この記事には改造の過程しか書いていません。音の変化についてはこちら

asumoeffects.hatenablog.com

 では改造はじめます

 

 

解体

 早速バラしていきます。曲がりなりにも50Wの真空管アンプなので、電源を抜いて3日のちゴム手袋で作業開始です

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 ネジというネジを全て外します

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 途中の写真を撮り忘れて即落ち二コマみたいになりました。この写真ではまだくっついてますが、INPUTジャックとフロントパネルもとれます

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 小物は失くしやすいのでケースへ。百均の糸楊枝の空き箱が活躍しています

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 載ってる電解コンデンサは(案の定)よくある廉価なやつでした。集計結果↓

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 全部オーディオグレード(要するに高品質でピカピカしててカラフルなやつ)に交換じゃい!50V 2.2μFと25V 10μFに関しては無極性?のものが数点あったので、NichiconMUSEの緑色のやつが無難かと思われます。

 今回は秋月で注文しました。某ウイルスのため実店舗は休業中とのことですが、通販は平常運転で有難い限りです…

 

ガワの塗装

 んーーー詳しい工程は別の機会に書きたいと思います

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 かわいい!某百均の水性塗料を使っています。少しザラザラしてて珪藻土のような仕上がりになります

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 フロントパネルと合わせても良い感じです。この辺は僕の感性なのでダサいとか言わないで下さい(クソデカ大声)

 ノブも別のやつにしたいな…

 

本日のメイン

 冒頭でも述べた

 これですね、ものの1分で終了。ノーマルの状態と切り替えられるようにしようかとも考えましたが、色々と面倒なのでやめました。出来るようにしてる方もいます

 どうしても気に入らんかったら後から考えよう、

 

コンデンサ交換

 初めに、INPUTジャックの横にぽつんとあるボックス型のフィルムコンデンサ

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 電解を除けばチップじゃないコンデンサはこの子だけなので、音に影響大と見ました。AVX系を模したノーブランド品のようですが、どうせなのでここはみんな大好きWIMAに交換です。元の数値は0.022μFでしたが、手元に無いので0.047μFを付けます。コマケエコトハイインダヨ…

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 穴の半田が上手く吸われず、ランドが剥がれかけたので急遽裏面から付けました。基板のパターンも分からないのでランドが剥がれたら一巻の終わりです、文字にすると短いですけどここはめちゃくちゃ焦りました…

 慎重に電源とギターを繋ぐと無事に音が出たのでひとまずヨシ!すぐに抜いて安置。就寝

 部品が届いたので続けて電解コンデンサです。

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 BOSSコンとかと同じ要領でどんどん交換します。数が多いので最早こっちがメインの作業となりつつあります。

 できたー!

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 写真がこれしか無いのですが、他の基板も全て交換してあります。左側の一際でかいやつは適当なものが入手出来ず続投となりました。ついでに高輝度白色LEDを併設

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 天窓がかなり明るくなることでしょう

 さあ、組み直して音が出るまでが改造です…!

 

改造完了

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 無事に音が出ましたー!ノブも良い感じ

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 LEDを足したおかげで中もスケスケですね(言い方)

 冒頭の繰り返しですが、音の変わり具合は別記事に書いております

asumoeffects.hatenablog.com

 音は大きく好みに近付きました。この先ずっと使っていくと思ったので大きく手を加えましたが、成功に終わり一安心です。今回はやらなかったけど何とかしてStandby/Onスイッチを前面に出したいなと考え中

 質問とかあれば気軽に声かけて下さい。しつこいようですがこれを読んでチャレンジする方は自己責任でお願いしますね、それでは!